前途多難
本日、いや正確に言うと昨日のスポーツ各紙の見出しはすごかったらしい、いわく「中日造反」。原辰徳監督以下のWBC首脳陣が選抜した候補選手のうち、ドラゴンズの選手が全員辞退したことが明らかになったからである。
報道によると、中日からは4人の選手が選抜されていたそうだが、足並み揃えて辞退。その上、その補充に選抜した別の選手も辞退する徹底ぶり、ご丁寧にも辞退理由もただの一言も添えられていなかったという。「非協力」との批判に対し、オーナーや監督は今日になって反論していたようだが、どう取り繕ったところで原ジャパン入り拒否はチームの方針となっているのは、まず疑う余地はない。
中日は今年の北京五輪に4人の選手を代表に送った、しぶしぶと。主力中の主力4人を抜かれたダメージは大きく、チームは優勝争いから完全に見放され、出て行った選手達もダメージを負って帰国した。中日サイドからすれば、言いたいこともあるだろう。
それに監督があの落合博満では仕方あるまい。この男に、人との協調性とか野球界の為とかというスケールの大きい話に対する理解を求めても無駄の一言。内々の監督就任要請に対して
「他球団の選手は預かれない。」
と一言のもとに拒否、代表選手選抜に当たっての協力要請も無視。自分を追い出し、まして今の自分の球団の親会社のライバルである読売の絡んでいるイベントになんか、協力できるかという態度がミエミエ。とにかく自分の利害が絡むこと以外には、屁も出したくないという「超利己主義」は徹底しており、一本筋が通って、微動だにしないこの男の姿勢には、ある意味、感服するしかない。
それに正直なところ、落合の言い分にも一理を認めざるを得ない。
「ああいうものは出たい奴が出ればいい。嫌な奴の首に縄かけて引っ張ってって、ケガでもしたら、誰が責任とるの?」
まさにその通り、これぞ「常に白けている男」落合博満の面目躍如の発言である。辞退連中が本当に、自分の意思で全員辞退したかはともかく、出たくない奴に、WBCの意義を理解できない奴に、頼み込んで出てもらうという性格のものではない。筆者はサッカーのことはよく知らないが、それでもワールドカップの日本代表に召集されて、断る選手はいないだろう。開催時期があまりにも微妙なこともあるが、WBCという大会が所詮は、そこまでの権威も価値も認められていないということなのだ。
日本シリーズの「痛敗」の痛手も消えない中、原の心労には心からご同情申し上げる。まさに前途多難、チーム発足、そして戦い開始までの日々はまだ長い。いつまでも若々しいあの人がひょっとしたら、すっかり白髪になって帰って来るのではないかと、心配になってくる。だってジャイアンツの監督なんだから、あの人は。帰って来て、シーズンの指揮とれるのかな・・・。とにかく、世の中は、「名誉ある地位が、いつまでもゴタゴタと決まらないのはよくない」と即決で代表監督就任を受けた自分のような、純粋な人ばかりではないということを肝に銘じて、先に進むしかない。
それにしても、あの6人のコーチ陣は一体どういう経緯で就任したのだろう。まぁジャイアンツの現役コーチ2人は自分で連れて来たのは間違いないだろうが、他の山田久志、伊東勤、高代延博、与田剛の4人はどう見ても「原人脈」ではない。と言って今回の「サムライジャパン」の影の指南役、王貞治の人脈とも思えず、よくわからない。
幻の代表監督となった星野仙一の影を指摘する声は多い。また時期は違えど原以下、NHK在籍経験者が多いことから「NHK内閣」との陰口もある。1人1人は個性的で、有能な人材が多いが、山田、伊東が監督経験者ということもあり、船頭多くして・・・ということになるのでは、と冷ややかな見方もある。
星野が監督になっていたら、投手コーチは鹿取義隆と武田一浩が再任されることになっていたらしい。本などで読んでも、前回の王ジャパンでコーチを務めた連中の評判は最悪だが、それでも星野と同じ明治閥であり、前回の戦いを身をもって経験している2人の「入閣」にはうなづけるものがある。だが、原が監督になれば、鹿取と組ませることは不可能だ。
筆者が心配するのは、監督以下国際試合の経験者が首脳陣に皆無なことだ。袋叩きにあった星野ジャパンから引き続きというのは、世間が許さなかったかもしれないが、コーチ経験もない与田ではなく、大野豊の「続投」という手はなかったか?この人もNHKだし・・・というのは冗談にしても、伊東、与田の国際通を買ったという話はあるが、「国際通」と「国際経験」は違うのではないか。山田投手コーチは在野の人材の中では、まずベストのチョイスだと思う、それだけにこの山田と大野が組めば、よりベストだったのではなかろうか。
そして、なにより原その人の監督としての手腕を疑問視する声は依然、根強い。先日の日本シリーズに負けてしまったのはやはりまずかった。特に大事な第7戦での用兵ミスは、その声をますます強める結果となってしまった。
それでも満場一致の人なんていないのである。星野は世間が許さず、ノムさんはいささか歳をとりすぎた。落合も渡辺久信も「嫌だ」と言ってる以上、原の他に誰がいる?いや別に消去法で言ってるわけじゃない、代表監督ってきっとああいう前向きでひたむきな人じゃないと勤まらないんだと思う。生半可な手腕より、よっぽど大切な要素じゃないかな、きっと。いや、原に手腕がないって言ってるわけじゃないよ、念の為・・・。
とにかく、出たいと言ってくれてる人からベストの人材をチョイスし、一刻も早く「サムライジャパン」を正式に始動させることが、今の原にとっては急務。くれぐれもスモールベースボールに偏った編成にだけはしないでくれよ。
最後に、話を戻すような形になるが、一言の理由も添えず、代表を辞退した連中に言いたい。あなた方の監督のおっしゃる通り、出るのも出ないのも本人の自由、ただオールジャパンの候補になるほどの選手なのだから、なぜそれを辞退するのか、その理由くらいはキチンと公に発表して欲しかった、そのくらいの責任はあるはずだ。行きたくない、シーズン直前の時期で自分の調整がしにくい、原が嫌いだ、と、まぁすべて本音で話せないにしてもだ。
それにしても、なんでこんなケジメのない世の中になっちまったかなぁ・・・。
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