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2008年12月26日 (金)

断末魔

いささか旧聞に属する話になるが、ちょうどひと月ほど前に行われた党首討論はひどいものであった。なにやらワーワーやっていたが、要は45分間に渡って「補正予算案を出せ、さもなくば解散しろ」「いや、あんたの方こそ法案成立に協力しろ」とただひたすらに言い合ってるだけ。およそ「討論」の名には値しないお粗末な内容で、これが現時点の日本の最高責任者とその後をうかがう政治家の姿かと思うと、深いため息が出てくるのを禁じえなかった。

ところが、この討論が1つのきっかけになったか、麻生太郎首相の人気はますます低下の一途をたどり、一部調査では内閣支持率はついに20%を割った。普通なら政権維持はレッドゾーンに入った。

麻生は道を誤ったという声が高まっている。もともと解散する気満々で登場したはずの麻生が、解散を逡巡している間にもはや状況は取り返しがつかないところまで来てしまったというのだ。

「なんだかんだ言っても、内閣発足直後には40%の支持率があったんだ。それを背景に勝負していれば、ここまで追い詰められることはなかった。」

ある自民党幹部の嘆き節だそうである。更にこの幹部の言葉はこう続く。

「と言って、麻生を替えることもできない。替える人間もいないし、無理に替えれば、いい加減にしろと国民から総スカンを食う。もはや万事休すだ。」

安倍、福田と2代続いた無責任な政権投げ出しは当たり前のことだが、自民党に深いダメージを与えているのである。しかし、この自民党幹部の言葉はあまりに結果論に過ぎるだろう。あの時点で、自民党の多くが解散を望んでいなかった。野党だけでなく友党たる公明党があそこまで望んだ解散に麻生が踏み込まなかったのは、ひとえに自民党の判断である。

それにあの時点で、解散による政治空白は避けるべきという論は一定の説得力を持っていた。しかし、その後口では「百年に一度の経済危機」と騒ぎたてながら、実際にはさしたる手立てを講じようという様子もないまま、国会は閉幕してしまった。これだったら解散できただろうという小沢一郎の言い分の方が説得力をもってしまったのだ。今度はある識者の言葉を引かせてもらう。

「麻生は解散するつもりで仮人事を組んだ。定額給付金も詰めた内容でなく、選挙向けのマニュフェストとして言い放しで、そのまま解散になだれこむつもりだった。ところが、解散は先送りとなり、欠陥だらけの給付金と河村建夫官房長官、細田博之幹事長という全く機能不全の布陣が残った。結局、すべてが行き当たりばったりだったのだ。」

こうして、日本の政治はなんともやりきれない閉塞感を抱えたまま、年を越すことになった。

すべては自民党の往生際の悪さから来ている。国民の信を問うべき時がとっくに来ているというのに、自らの政権維持の為に、自らが政権にしがみつきたいが為に、そこから目をそらし続けている。急流に呑み込まれまいと懸命に岸辺にしがみつきながら、断末魔の叫びを上げているのが今の自民党。しかしそれに痛撃を与える手段がない。民主党はあたら好機を逃し続けている、自らがどうしても自力で国民の支持を得られない悲しさである。

渡辺喜美の造反に大喜びしているようでは、自らの無策を宣伝しているようなものだ。向こうが勝手に崩壊して行くのは、確かに歓迎する事態ではあるが、そんな連中を当てにし、また取り込んでなんとか政権の座にありつこうなんて、さもしい魂胆では民主党もそれまでである。

年明け早々に通常国会が召集される。民主党は冒頭から審議ボイコットも示唆している。その意気、よしである。とにかく押して押して押しまくる、それ以外に民主党の道はない。このままなら間違いなく任期満了まで選挙はない。それでも民主党は勝てるかもしれないが、あと1年近くもこんな状況を続けていける余裕が今の日本にあるとはとても思えない。とにかく自民党を排除して、新しい政権を作ることが今の日本には急務なのである。次期国会こそ、本当に民主党が真価を問われることになる。

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