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2009年6月23日 (火)

「実力のパ」の時代?

交流戦が終わった。ジャイアンツは12勝9敗3分、まぁまぁというところだろう。06年の歴史的とも言っていい大失速のイメージが強く、ジャイアンツにとって交流戦は鬼門、苦手という評をいまだに聞くが、05年の交流戦スタート以来、あの年を除いてはすべて勝ち越している。

交流戦が始まる前は、はや独走の気配もあったのに、気がつくとヤクルトが2ゲーム差までに迫ってきている。いいタイミングというか、リーグ戦再開最初のカードでいきなり、両チームが激突するということもあり、マスコミは早くもざわめいているが、ついこの間まで6ゲーム差あったのを、ヤクルトが終盤7連勝で一気に詰めて来ただけであり、確かに決して気分はよくないが、それにしても、なんと言っても先は長い。これからまだまだ、熱い戦いは続いて行くということなのである。

最終戦は内海以下の投手が乱れての大敗であったが、交流戦を通じて投手陣はよくやったのではないか。ただ、途中の4連続延長戦に象徴されるように全体的に打線が低調で、得点能力が落ちているのは気がかりだ。一時の勢いはないものの、坂本は頑張っているが、あとの小笠原、ラミレス、亀井、谷といったところはその日暮らしというか、調子が安定せず、一向に調子の上がってこない李は不調なのではなく「衰えた」のではないかも感じさせられる。

そしてなにより、気がかりなのは打者阿部慎之助からめっきり迫力が消えてしまったこと。昨年の日本シリーズ、あるいは一昨年の五輪アジア予選のように短期間に爆発することはあっても、いよいよジャイアンツの4番を張るのでは期待させた頃の輝きはすっかり影を潜めてしまった。体調不良もあるのだろうが、なにより打席での姿勢が淡白になった。大田泰示は未来の大器を予感させるデビューを飾ったものの、まだまだ海のものとも山のものともわからず、中井大介はチャンスは与えられているが、昨年の坂本のような「何か」を原監督に感じさせないのか、短期間でファームに戻されることを繰り返している。そして高橋由伸がもはや絵に描いたモチと化してしまった現在、阿部に求められているものは大きい。李と違い、「衰えた」などと言われてはまだ困るのである。

投手の方も楽な交流戦日程に救われたものの、越智、山口プラス豊田にオンブに抱っこ状態にあまり変化は見られない。クルーンが無駄な張り切りがもとのケガで長期離脱、マイケルと西村健も一向に調子が上がらず、一軍復帰のメドがたたない現状では3人、特に他に後ろで投げるまともな左腕が見当たらないチーム事情から山口にかかる負担はべらぼうに重くなってしまっている。先発投手陣の奮起を改めて促しておきたい。

「人気のセ、実力のパ」という言葉がある。その昔、「巨人、大鵬、卵焼き」と言われ、多くの野球少年達が誇らしげにYGマークの野球帽をかぶっていた時代、「巨人にあらざれば、野球選手にあらず」というわけで、他の5球団はジャイアンツの寄生虫、パに至っては全くの問題外扱いだった時代、マスコミに取り上げられることもなく、ファンにかえりみられることも、ほとんどなかったパの選手達は「お祭り」と言われたオールスターゲームで、目の色を変えてセにそしてジャイアンツに戦いを挑み、そして圧倒してきた。そんな様子を見ながら、いつしか人々が

「実はパの方が強いんじゃねぇか?」

と思い出して、囁かれた言葉であった。しかし、実際には「夏の祭典」ではともかく、真剣勝負の日本シリーズともなると、古くは西鉄ライオンズ、少し下がって阪急ブレーブスや西武ライオンズが一時代を画した時期はあったにしても、ジャイアンツを始めとしたセ覇者の壁は厚かったというのが、現実であった。

ところが、近年明らかにその傾向に待ったがかかっている。日本シリーズは2002年にジャインツがライオンズを圧倒して以降は、2007年以外はパリーグのチームが制している。それもはっきり言ってほぼワンサイド、昨年のシリーズも互角のねじりあいに見えたが、まぁ正直あまり認めたくはないのだが、結局は最後は、ジャイアンツが力でねじ伏せられた感は否めない。

そして5年目を迎えた今年の交流戦はソフトバンクの連覇で終わり、これで始まって以来パチームの5連覇である、もっとも今年は5年目にして初めて通算対戦成績ではセが勝ち越したそうだが。

リーグを独走して、意気揚々と札幌に乗り込んだジャイアンツはいきなりパトップのポンハムの洗礼を受ける。怒涛の攻撃に為すすべなく連敗した姿を目の当たりにした筆者は

「こりゃ、パは強ぇな。」

といささかショックを受けたものである。そのあとすかさず楽天を連破して五分に戻したので大事には至らなかったが(話はそれるが、楽天を結局4タテしてやったのは痛快だった。野村克也という人物は大監督であることは間違いないが、それにしても球界長老の立場にある人間としては、あまりに発言に、自覚も節度もなさすぎる)選手の粒もなんとなくパの方がそろってるかなぁと思わされることが多々あった。

FA導入以来、他リーグやメジャーに活躍の場を求めるのは圧倒的にパの選手であった。主力を続々と抜かれ、失いながらも、めげずに選手を抜擢、育成した球団とその期待に応えてのし上がった選手、どちらにも雑草のような強さがあるのかもしれない、フッとそんなことを考えさせられた、今回の交流戦であった。

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